じいちゃんトライアスリートの旅

還暦過ぎのトライアスリートです

青い国・四国

愛媛の大学に合格し、当初、何度かあった地元との行き来には、飛行機やフェリーを使ったが、何故かこの時は鉄道だった。

岡山駅で宇野行の鈍行に乗りかえ、宇野港から、宇高国道フェリーで高松に向かう。

フェリーにかかる時間はそれほどでもなかったように思う。フェリー内には珍しくうどん屋があった。食べたかもしれないし、食べなかったかもしれない。

高松港に着くと、今度は予讃線で松山に向かうため、港から高松駅まで、両者は接しているものの、早足で歩かなければならない。自由席で座りたいのだ。

おそらくこれが、初めて一人で四国に渡った時だったと思う。

四国で一人で生きていくんだ、という覚悟をしながらも、心細さは払いきれない。

そんな時、港から駅に向かう通路だったと思うが、柱に貼られたポスターが目に入った。

人に押されながら、早足で歩く自分の前にそれはあり、釘付けになった。

ポスターには大きな文字で『青い国・四国』とあった。

バックの画像は何だったか、はっきり覚えていない。

足摺岬かどこかの海か。山とか、お寺や弘法大師ではなかったと思う。

刹那、なぜかホッとした。

そうか、四国という括りで捉える視点があるんだ。

そして、四国を称賛するような青い国という表現。

私が生まれ育った地元には全くなかった風土の香り。

ひっそりとだが、誰かから、関心を持たれているような土地。

縁あって、いいとこに来たのかもしれない。

ここで、一人で生きていくんだの覚悟を胸に、18歳の男子は予讃線に乗り込んだ。

突如、料理づくりに目覚める

4月から、訳あって、週に一度、料理の支度を任されることになった。

料理に携わることなく、生きてきた70歳前のじいちゃんが。

ウィークデイの水曜日が望ましいとのことだが、こっちもフルタイムだし、そうそう、ホイホイ作れるわけがないので、週末に、煮込み料理のカレーかシチューを作ることが多い。

それ以外には、豚汁、キャベツの肉味噌炒めを2回づつ。

先生はユーチューブ。

なんとか食えるものを作りたいと、念願して頑張ってはいるのだが、辛口の批評家が手厳しい。

シチューでは頬肉を煮込みすぎて、豆腐のような噛み心地になってしまったり、わざわざスネ肉を使えば、匂いが残ったりして、「自分ひとりで食べるならいいよ」の厳しい一言が、容赦なく浴びせられる。

まあ、犠牲者を出しながらの料理づくりだが、少しは役に立っている感は得られる。

先日、作ったカレー(リスクを避けるために、豚バラを使用)はやっと「おいしい」の一言がいただけた。

ふと思うと、時間を費やして、マラソントライアスロンの練習をしようが、それを心から喜んでくれる家人などいない、いるはずがない。

どのような成績が出ようと、表彰台に上がろうと、本来どうでも良いことである、なんの役にも立たない。

一方、冷蔵庫の残り物で、チャチャッとまかないの作れるじいちゃんは、燦然と光り輝いて見える、生きてる価値がある。

練習時間を少し削り、凝らない料理道を目指して、精進するのも、悪くないかもなと、思い始めている。

ガーミンコーチに尻を叩かれる

以前、マラソンのキャリアが絶好調だった頃、マイアシックスというアプリを使い、そのアプリが提案するスケジュールを、熱心にこなしていた。

レースの日付と希望タイムを入力すれば、適切なペースとタイムのワークアウトをカレンダーに表示してくれるのだ。

結構優れものだったのだが、突然終了されてしまった。

途方に暮れながらも、それまでの練習を反芻しさえすれば、なんとかなるだろうとたかをくくっていたが…。

3時間30分を切れなくなって久しく、今回4時間も切れなかったことに、若干のショックを隠せず、何かないかなーと物色していたら、ガーミンのトレーニングプランというのにぶち当たった。

『フィットネス向上』という優しそうなプランで組んでもらった。

こんな感じ

ガーミンの日々のトレーニングは、スピードではなく心拍数縛りなので、最大心拍数に応じて強度を段階的に設定していく。

それだけに、これは無理とはいえないので、けっこう頑張ってしまう所がある。

最初の頃は30分のイージーとかなので、こんなんで大丈夫かと、みくびったりしていたが、徐々に強度が上がってきて、最近はその日のスケジュールを見るのが、怖くなってきた。

でも、自分ひとりだったら、イージーばかりで、短時間で終わらせていたと思う。

真面目に続ければ、また何かいいことが待っているかもしれないと、淡い期待を抱いている。

素人にイーブンペースは要らない

愛媛マラソンまで、1週間と少し。

いろいろ工夫してきたが、減量に失敗したままで突入しそうだ。

体重1キロ当たり、ゴールタイムが3分縮まるとされているので、6分のビハインドは覚悟の上でとなる。

まあ、いい、今回は。

 

それよりも、長年、自問自答してきた事だが、イーブンペースがゴールタイムの短縮につながるのだろうか。

どの本にもそう書いてあるので、そうなのかなと思いながらも、疑問に思い続けてきた。

 

要は、レースの序盤で、快調に走れていたとしても、それを敢えて抑えてまで、後半に残せという趣旨のことである。

足運びのリズムや心機能が合っていて、快調に走れているのに、抑えるなどしたら、かえって余計なエネルギーを費やしてしまうのではないだろうか。

練習時のペースよりも速すぎだから、あえて抑えることなどしていたら、絶対に、絶対に、自己ベストなど、遠ざかっていくばかりである。

何年もレースに出ていれば、自分では気付かないまま、絶好調の波とレース日が、ドンピシャなんてこともあるに違いない。(滅多にはないが)

かく言うド素人の私にも一度だけ、マラソンの神様が降臨されたレースがある。

当時はまだガーミンなどない2012年、56歳時の愛媛マラソンがそれだ。

ラソンを始めて5年くらいの頃である。

腕に装着しているのは、セイコーのスーパーランナーズなので、キロあたりのペースが曖昧なまま、体感に従って走り続けた。

残念ながら、前半の記憶が曖昧ではあるが。

やっと自分のペースがとんでもなく速い事に気づいたのは、20キロ前後で、前を走っている2名の方が、今キロ何分とか話しているのを聞いたときだった。「4分30」

これはやばいぞと思っても、イケイケで、そのまま走り続け、35キロすぎに、イッパイイッパイになりながらも、大きな失速なくゴールラインを切ることができてしまった。

その時の記録

こんなこともあり、私はレースで前半抑えるなどということは一切していない。

だから、以降は玉砕続きの戦績である。

チョコレートで血圧が下がるとな

昨年の秋頃、カカオポリフェノールの摂取とVO2Maxの向上に関連があるかも、のタイトルに惹かれ、DeepL頼みで、原文を読んでみた。

2023年8月に発表されたものである。

健康なドイツ人の男女、平均65歳を対象とした研究で、ココアフラバノール(500mgX2)を30日間、摂取させた群と、対照群との比較である。

結果は摂取群のVO2Maxが有意に向上したとあるが、その要因に血管内皮機能(血管内腔を裏打ちしている細胞)の強化と、血圧の低下があいまって、心拍あたりの酸素運搬能力を有意に増加させ、心臓運動能力の向上に寄与したとしている。

毎日、高エピカテキンチョコレート60g摂れば、同等の効果が得られるだろうとしている。

VO2Maxに引き寄せられ、読んだ論文だったが、私にとっては血圧のほうが重要事項だったので、それを期待して、11月頃からチョコレートを食べるようにしてみた。

食べると言ってもカロリーが怖いので、2-3cm四方の板チョコを、午前に2かけ、午後に2かけくらいの量である。

結果がこれ

ヘルスケアデータ

11月以降、下がっているように見える。

毎朝、起床時に計測しているのだが、チョコレートを食べだしてからは上が130mmHgを超えたことがない。

n=1で、確証などないが、今のところ、効果があるかもと喜んでいる。

 

ところで、VO2Maxの方は50前後を行き来しており、また数年来経験したことのない高体重も減る気配なく、先日やっとの思いで30キロ走に臨んだが、3週間後に控えた愛媛マラソンに自分が参加するのかという実感が、いまだ湧いてこない。

ドオしよう、ドオなるんだろう。

トラックレースに出てきました

連休初日の11月3日、愛媛県総合運動公園にて愛媛スポーツレクリエーション祭2023が執り行われ、マスターズ陸上に参戦してきた。

1500m、800m、200mの3種目

結果は順に、6:16:74、2:58:10、35:22。

おおよそ、予想通りのタイムで、際立ったものがないが、無事走り切れたことに安どしている。

まだ欲はあると言えばあるが、短い時間であるとはいえ、170を超える心拍数でのレースは内心怖いし、普段の練習でも負荷が高すぎるので、そうそう気軽にできるものでもない。

前回のエントリーで200mの30秒など意識したことが恥ずかしい。

200mはクラウチングスタートというのを、直前に知り、審判に「スタンディングで走らせてください」などと慌てて頼み込むなど、他のスパイクシューズを履いたガチな方々に呆れられるような、失礼な態度に映っていたに違いない。

カタパルトの様な噴射台でスタートした全選手にあっという間に置いていかれ、カーブを回り切ってのホームストレートの長いこと。

それでも、1名をかわし、あとの2名に肉薄でき、この種目に若干の手ごたえを感じることができた。

800m、1500mもスタートから限界スピードで押し、ただただ落ちまくるというこれまでの展開は回避できたようで、走り方だけ少しは進歩したかな。

しかし、1500mは中距離種目とはいえ、つくづく持久力勝負のレースであるとの認識を新たにした。

遅咲きのトラックレース選手、面白いけど、いつまで続けられるだろうか。