歌を忘れたカナリア
走れないランナー。
昨年11月下旬にカーボン入り厚底靴で、膝をやってからというもの、少し良くなったかなと思って走りだすたび、10キロ走ると元の木阿弥という状態を繰り返してきた。
先週の日曜日は愛媛マラソンday。
完治していないことは了解していたので、DNSを決め込む。
20年くらい毎年走ってきたレースであった、コロナを除いて。
快晴、最高気温10度くらい。絶好のマラソン日和だった。
走り終わって、足を引きずりながら岐路に付くランナーたちがまぶしい。
少しずつ膝も回復しつつあるのか、今日、久しぶりに薄底で走ってみた。
恐る恐る。
様子を見ながら、5キロほど。
少し違和感が出れば、すぐに歩きに変更しつつ。
最終結論は明日にならなければ判らないが、何とか無事にこなせたようだ。
やはり、私には薄底があっている。
着地に全神経を集中させ、できるだけ関節に負荷をかけないような走り。
何とか復活してくれ。
うまく来ていたのに
今年は、まあうまく来ていた。
土佐センBコース、中島トライアスロンを完走でき、瓶ヶ森林道も走破できた。
これに備え、日頃からの体重管理、そこそこのランの練習。
膝をかばい、初の中底、厚底とトライしてきた。
4時間の壁を恐れるあまり、厚底のカーボンに手を出した。
厚底カーボンの2回目の試走で膝(左)が終わった。
15キロ走っただけだったが、翌日から膝が曲がらないくらい水がたまった。
練習では初めてだし、レースでもなかったことだ。
カーボンが原因かどうかはわからない。
通常のピッチの180がカーボンで190にはなっていた。
私の膝がちょうどそういう状態になっていたのかもしれない。
防府2週間前のことだ。
これで、なんだかんだで、3回連続のDNS。
もう申し込んでも、通してくれないだろう。
相方からは、もうやめにしたらとの仰せ。
70歳にして、防府とはお別れか。
メタスピ-ドエッジ東京のシェイクダウン
メタスピ-ドエッジ東京、着弾。
箱から出して、体重計測。
142g。(25cm)
軽い、薄底ターサーでも、こんな軽さは見たことない。
さっそく足を入れ、走ってみた。
厚底初心者なので、最初は高下駄をはいているような、不安感があったが、すぐに慣れた。
膝に不安があるので、抑え気味に、5キロで終了。
走った感じは特にどうということもなく、カーボンの存在も全くわからない。
本当に入っているのだろうか。
ただ、いつもと違うことといえば、不思議なほど、息があがらない。
ここ最近の似たようなペースで、同じコースを走った、過去2回の1キロ区間のデータと比べてみた。(過去2回は10キロ走の中間くらい、今回は5キロ走の3キロ目)

ピッチも歩幅も変わりなく、シューズの違いが、走り方に影響しているとは思えないが、最高心拍数と、それに伴うカロリー消費が、著しく低下している。
なるほど、息が上がらなかったのはこういう訳か。
靴の複雑な構造等よりも、軽さが一義的に影響したのだろうかと、勘ぐってしまう。
こんな事を言うと、アシックスさんに叱られそうだが。(いやいや、そんなことはないよね)
まあ、私にとってはどうであろうと、心拍数を減らして、省エネで走れるのなら、これほどありがたいことはない。(本音は歩幅が伸びることを期待していたのだが)
膝さえ無事であれば、防府のスタートラインに立とうという気が、少し起きてきた。
防府完走に黄信号
迫ってきた防府マラソンに備え、15キロのペース走を実施した。
シューズはエボライドスピード3。
結果は、

10キロまでは、抑え気味で、5ː22。快調かに思えたが、11キロ以降きつくなり、保てなくなる。
許されるペースが、5:43、で42.2キロ走らねばならぬ。
これはだめだ。
できることを探るも、思いつくものがない。時間も限られているし。
最初から、完走できないとわかっていて、出る気はさすがにない。
そこで、ついに封印してきたことを、解くことにした。
厚底、カーボン。
メタスピ-ドエッジ東京。
製造元のアシックスでは、私のサイズは売り切れだったが、楽天のゼビオで在庫あり。
ついにデバイスに頼らざるを得なくなる、ジジイが見苦しい。
画像は、毎年、恒例の愛媛のイベントに来てくださるトワ・エ・モワさんのお二人。
なぜか、松山なのに、札幌の歌で盛り上がる楽しいひとときだった。
来年もお互い、元気で会えたらと、願うばかりてある。
防府の抱負
4週間と少し。
なんとか走れるくらいまで、膝が回復してきたところ。
薄底のターサーを諦め、エボライドスピード3という、厚底、非カーボンを履き始めた。
これが自分に合うかどうかはわからないが、180グラムという軽さが魅力だ。
少しだけ、歩幅が伸びたようだ。
レース用とはどこにも書かれていないので、スピードを追い求めるタイプではなさそうだ。
いまさら速く走りたいとは思わないが、ただただ完走はしたい。
これまでは意識したこともなかった、防府の関門の制限時間を確認した。

キロ5:43が要求される。
別にこの表を見なくても、4時間を42.2で割れば、自ずと分かることではあるのだが。
完走が無理であっても、第5関門の通過はして、そのままゴールだけはしたい。
アッ、途中で、バスに収監されてしまうか、恐ろしや。
随分と謙虚になったもんだ。
切れない包丁の出番
昨年4月頃から始めた週1回の料理は、今でも続いている。
最初は、豚汁、回鍋肉や麻婆ナスなど、いろいろな料理に挑戦したが、今ではメニューが固定化した。
カレー⇒シチュー(クリーム)⇒カレー⇒シチュー(ビーフ)⇒カレー⇒カレーというように、週替わりにメニューが繰り返されている。
相方は、なんならカレー⇒カレー⇒カレー⇒カレー⇒カレーでも平気な様子。
市販のルーに少し手を加えるだけのシンプルな調理を心がけている。
自分でも美味しいと思うほどで、我が家の定番になりつつある。
6~7人分作るので、弁当や休日の食事にと3回ほどで使い切る。
そんなことで、台所での存在感というか、発言力が増しつつあったのか、デパートをぶらついていた時に、ある提案をしたら、意外にもすんなり受け入れられた。
それは、今使っている、切れ味の悪い包丁を、新しいものに替えるというものだった。
日本橋のなんとかいう老舗の、剃刀のように鋭い包丁を買った。
相方が使い始めると、すぐに指を切ったとこぼしていた。
昨日、いつものカレーを作ろうと台所に足を踏み入れた途端、その包丁が恐ろしく感じられた。
今までの包丁なら、指が刃先に触れても平気だったのに、今は恐怖だ。
常に心の警告を発しながらでないと扱えない。
肉の切り分けは、刃の重みだけで簡単に切れる。
だがジャガイモの皮むきには約3倍の時間がかかった。
これまでなら、鼻歌交じりでも、皮むきができるほどになっていたのに。
古くて鈍い包丁が懐かしい。
皮むきには、古い包丁を出してきて使おうと思った。
相方に尋ねると「もうゴミの日に捨てたよ」と言う。
包丁は切れ味だけが全てではない。
久々の瓶ヶ森林道
相方がこの土日、所用で家を空けることは、だいぶ前から耳には入れていた。
ただ、私は2週間前に中島トライアスロンがあったので、その先の週末の予定を、計画することなど、気が回るような余裕はなかった。
だんだん近づいてくる週末。
さあどうしよう。
もちろんロードバイクでのサイクリングは間違いないのだが、一泊二日も可能だし、心は千路に乱れた。
どこに行こう。
取り合えず、川魚料理を出す、仁淀川町の民宿に電話してみたが、留守電でつながらない。
コース選びが、だんだん面倒になってきた私は、そういえばここのところ瓶ヶ森林道に行ってないなあと思い始める。
怖いのだ、瓶ヶ森林道が。
よほど体調がよく、練習を積んでいないと、打ちのめされる相手であることを知っているのだ。
中島も完走でき、少しだけ自信を取り戻しつつある自分を過信し、行けるかもと思い始める。
コース選びが面倒になったこともあり、決定。
暑さは相変わらずだが、一気に高所まで登ってしまえば何とかなろうと、甘い予想はいつもの通り。
相方に瓶ヶ森林道に決定したことを告げると、いつになく心配してくれる。
さすがにどんなところに行くかくらいは、分かっているようだ。
一言でいうと、海抜0みたいなところから、四国最高峰、石鎚山の登山口の土小屋(1500m)を回って、帰ってくるというもの。
さて、当日朝、5時起きで、JR松山駅へ。6時13分発の高松行き特急で輪行、西条まで。
西条出発は7時半ころ。
暑い。汗がすごい。ボトルの塩水がどんどん減っていく。
ちょっとヤバいかもと思う。
寒風山トンネル手前の水場で、ボトルを満杯にできた。
中に塩タブを放り込んだり、直接口にしたり。脱水だけは避けたいので留意した。
トンネル手前の旧道に入り、ゆっくりゆっくり進んでいく。
高度は600mくらいで、木陰になっているおかげで、少し暑さが和らぐが、汗は相変わらずだ。
いつもの通り、竿谷にかかる橋でひと休憩し、おにぎりをほおばる。
あと半分登れば、旧寒風山トンネル(1000m)までたどり着ける。
淡々と登り続け、到着。
湧き水で、ボトルを満たし、おにぎりとゼリーで補給。
ここから瓶ヶ森林道が始まる。
伊予富士の登山口(1600m)までの登坂が地獄だ。
通常のヒルクライムの斜度(10%くらいか)をはるかに超えるような斜度が、しかも連続しているのだ。
何回も足を着く。いつものことだ。もうダメかもと泣きが入る。いつものことだ。
ただただ、耐えて伊予富士登山口に到着。
引き返すことも今ならできる、の選択肢はなかった。
大事な景色を目に入れなければ、帰れない。
しばらく苦しみながら、進んでいくと、二つ、三つほど小さなトンネルを超え、右に曲がると現れた。突然それは現れた。

これを見に来たんだ。6打数5安打だ。
しばらくたたずみ、先に進む。
登ったり、下ったりしながら、ボトルの水が減ってきていることが心配になったり、空腹感が襲ってきたりし始める。
瓶ケ森登山口を超えると、山荘しらさがあり、開業していた。
洒落た店内に、汗臭いじじいが入ることをためらわれたが、水分とエネルギーを補給する必要に迫られ、どかどかと入店。
幸い、混雑していなく、広いテーブルで、タコスのプレートをいただく。
水もセルフで飲めるのだが、何杯飲んだか。おまけにボトルにまで。
さて、よさこい峠まで進み、土小屋までのバカにできない登りをこなせば、本日の登坂の3/4が終了だ。
土小屋で終了ではないのである。
ここから約1000m下るのだが、その先は松山ではなく、山脈で隔てられた久万なので、どこかしらの峠を越えなければ、帰宅できないのだ。
最後に選んだのは、黒森峠(982m)。
一旦、面河川に沿って下っているので(480mくらい)、泣きが入るくらいつらい18キロの登りがまっている。
さすがにこの標高まで下りてくると、いつもの下界の暑さと変わらない。
汗がすごい。ボトルがヤバい。膝もいたい。時間が押してきている。
久万の町まで行って、JRバスが走っているので、何とか輪行をお願する手はなかったかなどと、どんどんネガティブになっていく。
疲労が限界に近づいているのだ。
止まるわけにはいかない。帰らなければならない。
歩く速度と変わらないくらいの情けない走りで、一キロ一キロ進んでいく。
こんな時期まで啼いているのかと驚きながら、ヒグラシ蝉の応援に支えられて、ついに峠に到着。まだ日は落ちていなかった。
ああ、やり遂げた。なんとか。