じいちゃんトライアスリートの旅

還暦過ぎのトライアスリートです

防府にエントリー

今年も折り返しを過ぎ、すでに後半に。

12月開催の防府ラソンから、勧誘のメールが届き、迷わずエントリーした。

質実剛健、シリアスレース。

想像するだけで、緊張感が高まる。

防府のための準備期間はもう半年も無いのか。

昨年の順位は1581/1761。

やるしか、コルシカ、奈良のシカ。

六月は蒼く煙って

なにもかもにじませている

荒井由実 cobalt hour(1975年6月) 9曲目 雨のステイションより抜粋」

そんな6月の日曜日。

西条市のひうち競技場では四国マスターズ陸上競技選手権大会が開催されていた。

前日の土曜の夕方、ランシャツにビブナンバーを付け終えた数時間後、突然DNSを決断。

理由は、心を戦闘モードに切り替えできなかったこと、右膝に違和感を感じていたこと等々いろいろ。

夜半の雨も上がった日曜日、参加していれば、1500mで地獄を見ているだろう頃、何をしていたかといえば、お孫ちゃんとお散歩。

蒼く煙る松山城とお孫ちゃん

この日は梅雨の真っ只中とはいえ、空気はしっとりし、風が心地よい。

もし一年間の内、散歩に適した日が3日あるとすれば、そのうちの一日に該当したと言っても過言ではない日和だった。

散歩のおかげで、家族に疎まれることもなく、お孫ちゃんも上機嫌で、よかったよかったの午前となった。

さすがに昼過ぎからは、家族の目を盗んで、ロードでヒルクライムには出かけたが。

四国マスターズ 出るか

ろくに練習もできていなかったので、DNSと決め込んでいた四国マスターズ陸上競技大会だが、開催一週間前になって、プログラムと出走メンバーが発表された。

800mと1500mそして3000mに登録していたのだが、前の2種だけなら、午前中に済みそうだ。

開催は西条市の競技場なので、昼過ぎには帰ってこられるから、少し食指が動いた。

何と言っても今、我が家は保育園化し、てんやわんやで、私も一部保育士の役割を担わされているため、自由に行動ができずにいる。

もちろん、夕方走ることも、ままならない。

昨日の日曜日、久々に家を抜け出し、400mインターバルを試してみた。

走れてもいないのに、なんとか90秒でいけたのには、ビックリ。

体重だけは保てていたおかげか。

勝手に設定している、参加標準記録をクリアーできたので、出走する気になってしまった。

出るなら、800mは3分、1500mは6分で走りきりたい(何とか)。

さあ、付け焼き刃、老齢、中距離ランナー‥‥どうなることやら。

 

帰ろ、お父ちゃん

YS~11から降り、徒歩で空港ターミナルにたどり着いた18歳の男子は、名古屋から付き添いで、来てくれていた父に向かってひとこと言った。

「帰ろ、お父ちゃん」

検索しても、画像が見つからないので、記憶をたどれば、当時の松山空港のターミナルは、平屋でプレハブ作りのような、ホッタテ小屋のそれだった。背部には宮崎とかでよく見る、ビロウが植えられていたような気もする。(全て間違っているかも知れませんが)

これらを目にした瞬間、男子は思った。「ここは僕が来るとこじゃない」

もちろん男子は旅行で来た訳ではない。

2期校の受験のため、初めて四国、愛媛、松山の地にたどり着いたところだったのだ。

1期校に玉砕し、背水の陣で愛媛を受験しようと、2期校突破講習会にも参加し、もしかしたらの希望を胸に、飛行機に乗り込んで来たのに。

慌てた父親は、宿泊施設までの道すがら、タクシーの運転手に「できるだけ、松山の賑やかそうな所を通ってくれませんか」と頼む始末。

運転手も運転手で、堀之内をかすめながら、「まあ、こんなもんですよ」と追い打ちをかけるように、つれない。

その晩、二人で宿の近くの中華か何かを食べたような気がするが、こんなに優しい父親は生まれて初めてのようで、最大限の気を遣ってくれたような気がする。(これも曖昧だが、だとすると、申し訳ない)

 

今振り返ると、それにしても、18歳にもなった男子の、キモの座ら無さにあぜんとするし、冗談でなく、本気でこんな言葉を父親に投げかける配慮の無さに、恥ずかしくて、涙が出てきてしまう。

 

昨日、婿さんの見送りついでに、駐機場の、プロペラのボンバルデイアを見ていたら、突如、沈殿していたはずの、父親との忘れ難い思い出が、フラフラと浮き上がってきた。「親父、すまんことしたな。」

 

余談だが、この受験に奇跡的に合格した男子は、その後、松山に50年間住み続けることになってしまう。

愛媛マラソン 2023【振り返り】

防府のそれとは全く異にする、愛媛マラソンのスタート前の賑わい。

自治体の長、タレント、元オリンピック選手らの登壇。

市民マラソンは、どこもこんなんだろうか。

好みは分かれるかもしれないが、私は残念ながら、防府派である。

粛々とスタートブロックに並び、静かにその時を待ち、淡々と走り出す。

まあ、それは置いて、愛媛県の数少ないイベントになっているのは間違いなく、松山市内のホテルは、開催をありがたがっているそうだ。

 

一番町の路面に鎮座する、坊っちゃん列車の汽笛を横に、一万余りのランナーはスタートした。

私はスタートブロックCで、先頭の後約1分45秒くらいでスタートラインを割った。(シューズ:ターサーRP3)

さあ始まった。やって来た。防府以来の積み重ねたことを発揮できる機会が。

どうなるのだろう。20キロあるいは30キロ先で何が待っているのか。

キロ5分前後で走り続ける3年前のようなアスリート気分はもう味わえないのだろうか。

お前も、もうお歳で、ただただそれに甘んじるしかないのか。

 

その指標となる最初の1キロのタイムは5:00。

決して高揚しているわけではないつもりだったが、上出来のペースだ。

上げるつもりもないのに、その後も5分内のペースを積み重ねていく。

5キロ、6キロとなんと4:37が続き、飛ばしすぎとブレーキをかけるほどに。

ただ心拍数がこんな前半で、すでに150を超えてしまっているので、このままでは持つはずがない。

しかし、調子の良さはまだ続いており、難関の平田の坂を上り終えた8キロでも、5:03と驚くほど。

しばらく走ると、隊列が横に広がって、少し詰まってきた感じ。

なるほど、グループの先頭に3時間30分のペースメーカーが風船をつけて走っている。

と言うことは、キロ5分で走ってくれているはず。

ここでしばらく紛れて走ろう。少し脚安めだ。

冷静な判断だ。

しかし、エイドでスポドリを飲むのに手間取ったりしていたら、いつの間にか置いていかれてしまった。

前を走る人たちの汗がすごい。

追い風になろうものなら、暑い暑い。

今日は脱水注意だ。

エイドでのスポドリは止まってでもしっかり飲み干し、バックにしのばせた塩タブも、適時しっかり補給。

足がつったらおしまいだぞ。

そんなことを考えながら、立岩川沿いのハーフ地点までやってきた。

タイムは1:43:17。

上出来じゃないか。

理論的には30分切りが可能だ。無理とはわかっていたが。

この時点で、防府よりは調子が良いことをはっきり自覚する。

25キロ、30キロと段差なく、走り続ける。

 

このまま行けそうだと思い始めた矢先、それは来た、やって来た。

余りつったことも無いような、右ふくらはぎの小さな筋肉が存在を主張し始めた。

ヤバい。

そのまま走り続けていると、徐々にピクピクが押し寄せてくる。

ここまで来てそれはないやろ。

走りはつらくないのだが、ピクピクがひどくなりそうで、止まるしかない。

その時間は15秒か、あっという間に後続が走り抜けていく。

そんなことを何度か繰り返し、できるだけ脚を棒のようにして走り続けた。

そして難関の平田の坂へ。

もちろんそんな状態だったので、だましだまし登ろうと思っていたのだが…。

なんと職場の友人が自転車で応援に来てくれていて、私に向かって大声で鼓舞し始めたのである。

それも自転車でづっと追い続けて。

こちらの事情を説明できぬまま、彼の鼓舞に乗せられて、なんと上り坂を限界のスピードで登ってしまった。どんどん前の人たちが落ちてくる。

不思議と脚つりはこの時だけはおとなしくしてくれていた。

気をよくして、下りも結構飛ばして、あと5キロくらいの地点までやって来た。

やはりピクピクは黙っていない。

見ると、道路わきの応援の方が、つり止めのスプレーを提供してくださっているではないか。

お願いして脚という脚全域にかけていただく。

だましだまし、あと2キロの地点へ。

心に決めていた。ここからは何があっても止まらないぞと。

元気な後続に抜かれながら、待ち焦がれた城山公園、フィニッシュゲートへ。

やり切った。

防府の借りは返せたかな。

余り距離は走らなかったけど、山を歩いて筋量を増やせたのが、後半の落ち込みを最小にできたかなと思っている。

それにしても、フルマラソンはほんと、走ってみないと判らない事があり過ぎて、魅力的だが、年に何回もはやりたくない。

 

愛媛マラソン 2023【速報】

快晴、弱い風、2月としては高温、花粉無しのコンディションの中。

思い描いていた中では、最良〔松〕のレースができ、無事ゴールできました。

ますは結果のみで失礼します。

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The time has come

愛媛に春を告げる一大イベント、愛媛マラソンが来週に。

やっと行われる。

レースが実施されるのと、そうでないのとでは、心構えが全く異なると思い知った。

以前のエントリーで、「レースは二の次で、普段の練習さえこなせれば、それで満足。レースはただの確認」みたいなことを書いた覚えがあるし、頭の片隅にはその様な意識が無くはないが。

やはり違う、まったく違っていた。

体重管理、体調管理にシビアになる。

遊びや旅行なども控えめになる。

普段の練習も、これが30キロ以降の落ち込みを防ぐために、役に立っているのだろうかが頭をかすめている。

そんな緊張感のある日常も、あと一週間だ。

暑からず、寒からず、風なく、時折日差しのある、そんな2月の日曜日であってほしい。

レース前最終の真面目なラン(2/4)