(2018..9.16)
ブログの表題画像の瓶ケ森林道を久しぶりに走ってきた。
林道の長さは28キロで全線舗装路。
標高1,100-1,690mを走行する「天空の道」である。
中でも、東黒森から自念子ノ頭あたりまでの道は狭い稜線を走り、北には瀬戸内海、南には高知の山並みが見渡せる。
帰りは伊予鉄道横河原線で横河原駅からサイクルトレインに袋詰めなしで乗れる。
おいしい所だけ、ロードで走ろうという魂胆である。
トラックが走る国道は避けたいのである。
前置きはこれくらいで、
伊予西条駅前で自転車を組んでいると、徳島から観光に来られた男性に話しかけられる。
内容はいつもと同じく、どこへ行くのか、どこから来たのか等々。
その方の知人に70歳以上でトライアスロン世界レベルの方がおられるとのこと。
私も会話を続けつつ、自転車が組めるようになったのは、ずいぶん慣れたモンだなと感心ながら。
国道のコンビニでポカリやオニギリ調達し、いざ出発、午前8時。
まず目指すは旧寒風山トンネル、標高約1,100m。
加茂川沿いに緩斜面を登っていく。
3つくらいトンネルを抜けた所で、勾配が少しきつくなり、小休憩。
しようとしたらアブに襲われ、脛を噛まれ、直ちに出発。
大きな橋を渡り、水場で頭から水をかぶる。まだまだ暑い。汗がすごい。
熱中症予防に、遠慮無く塩ピュアタブを摂取。
旧道のつづら折れに差し掛かると、勾配は変わらないのに、少し楽な気がするのが不思議。
黙々と進み、2時間で峠に到着。
茶屋は閉まっていて、自販機無し。
湧き水に塩を入れ、簡易スポドリ作成。
以降も土小屋までの28キロいっさい自販機無し。
塩もエネルギーも携帯必須である。
さあ、ここからが今日のメインイベントの激坂区間、伊予富士を回り込む道。
多分14%くらいはあり、一旦ビンデイングを外すと、おいそれと乗れなくなる程。
5%くらいの坂が平地に感じられる。
ここで、高知からおいでになったキャノンデールさんとすれ違う。
始めてのようで、私に何回目かと聞かれる。
4回目だと答えると、スカイライン下りたら、33号線に出て帰るンですかと。
私の頭には黒森峠があったので、いいえ、11号線の方にと言いかけ、高知の方には判りにくいかと、後はもごもご。
少し休まれているようなので、先に出ると、すぐ後を追ってこられる。
意識すると、息が切れるので、先行をお願いしたところ、ふふっと笑いながら、先行して行く。
その先で、道路の検索をされているのか、また立ち止まっていたので、横を過ぎる。
激坂区間を越え、伊予富士の登り口まで到着。
以前来た時にはもっと苦労したのになあというのが感想。
トンネルをいくつか超えると、林道中屈指の景観、UFOラインのはずが、なぜかここだけ霧が深い。
この景色を拝みに来たのにと、周りの方同様、往生際悪くしばらく粘るも、晴れる気配無く、再出発。
バイクや自家用車が同じ気持ちで狭い林道に鈴なり駐車。
しばらく進んで、しかたなく山の写真を撮っていると、キャノンデールさんが再登場。
「やっと追いつけましたー」
あっ、追ってこられてたのか。
写真を撮ったりするたびに、前になったり後になったりしながら、瓶が森の駐車場まで進む。
その時撮った写真がこれ、この日はあまりいい写真が撮れなかった。
子持ち大権現付近で私が写真を撮っている横を素通りされたので、もう追いつくことはないなと。
少し空腹感らしき気配がし、よさこい峠近くの山荘でカレーをいただけるはずと期待して下りていくと、なんとお休み。
やむをえず、一つ残ったコンビニおにぎりを頬張る。
土小屋までの登りを踏ん張る。
初めて重いマウンテンバイクで来た時、ここでハンガーノックになり、押し歩きして、通り過ぎる車にすがりつきたい気持ちでイッパイになり、恨めしい目つきで見送ったかつての情景がよみがえる。
あの時のトラが、今日はネコに見える(ちょっと言い過ぎ)。
うれしいような、寂しいような、エネルギーや塩分等こざかしい知識を持たず、バイクの重量など考慮することもなく、リュックには重い一眼レフを放り込み、ただひたすらペダルを漕いで登ってきたあの時の自分が妙にいとおしく思えてしまうのである。
土小屋到着、12時50分。
カレー、カレー、何は無くともカレーと2階の食堂にかけ上がる。
よかった、カレーあった。
キャノンデールさんがいたら同席しようと見回すもわからず。
おでんの卵を食べ終わって、一息ついて見回してみると後の席で、うどんかそばを食べ終わったキャノンデールさんが席を立つところだった。
お互いにお疲れ様でしたと声を掛け合う。
まだまだ道程はこれからなのにね。
具だくさんのカレーを食べ終わり、スカイラインを駆け下りる。
途中に出現する4キロくらいの登りは織り込み済みなので、焦ることなくやり過ごす。
面河の道の駅で草まんじゅうくらいあるだろうと立ち寄ると、何もかも売り切れ。
やむなく、自販機のジュースでカロリー補給。
まだ、ボトルには粉飴300グラムを溶かしたのが1/3くらい残っているので、なんとかなりはするのだが。
さあ、黒森峠の分岐まで到着。
だまって国道33号線の三坂峠に行けば、標高は700mくらい、黒森峠は1,000mくらいなので、ここにきてその差は大きい。
さすがに両膝が悲鳴をあげかけている。
しかし迷うことなく、黒森を選択。
これまで、瓶が森をやったあとは黒森を超えてきているので、これが完成形なのである。
まあ、それはさておき、暑い。
汗が半端無い。
走っていればそれほどでもないが、止まるとすごい。
塩タブも底をつきかけているよう。一日で20粒近く、塩分10グラムか。
面河ダムをかすめ、最後の急登に入る。
全部ダンシングで行くつもりだったが、半分くらいシッテイングも交えながら、切り通しの峠に到着。
やり切った、今日やるべき負荷は全て。
この年齢でも、なんとか走れたことに安堵し、長い長い急坂を事故らないように、注意しながら国道11号線へ。
狭くて怖い国道から早く逃れたい一心で、ペダルを踏み横河原駅に到着、17時15分。
後は家まで、サイクルトレイン(土日祝日のみ運行)が連れて帰ってくれるのであった。
この日の行程