じいちゃんトライアスリートの旅

還暦過ぎのトライアスリートです

2019土佐センチュリーライドA リベンジ果たす

(2019/8/4)

昨年、無念のBコースへの変更。

リベンジを期し参戦。

自信のほどは五分五分。

3週間前の皆生で140キロは走れたので、距離への不安はなかったが、土佐セン名物の暑さが大きく立ちはだかる。

台風で中止になるよりはましと、暑さは願ってもないとの気持ちで向かうことに。

昨年と同様、石〇君のハイエースに便乗し、現地に乗り込む。

彼は属しているグループでトレインを組む予定とのこと。

即座に私は単独行動を選択(とても付いて行けそうにないので)。

となれば、スタート順は早いほうがいいので、厚かましくも先頭に陣取る。

この時点では風なく、霧が立ち込め、日差しはない。

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自転車のフレームに取り付けるナンバーカード、赤や緑のマジック痕は各関門通過の印。

開会式が始まる頃、タイヤの空気の充填をし忘れていたことに気づく。

せっかく席取りするために寝かしていたバイクを大会本部まで運び、ポンプでよいしょよいしょ。

開会式ではこのイベントの創始者である高知県サイクリング協会理事長、山根博敏氏が4月に亡くなられたこと、そしてこのイベントをなんとしても継続するように申し述べられた旨の報告があった。

氏の熱い気持ちが伝わってくると同時に、本イベントの趣旨を十分理解した上で参加することが肝要と思われた。

エイドが無いとか、回収車は無いのかとか、そのようなことをお気にされる御仁には、今時至れり尽くせりのイベントが山ほどあるので、そちらに参加されるのがよろしかろう。

昨今では珍しい質実剛健のイベントである。

さてタイヤは勢いで後輪が8気圧くらいになってしまうも、ウェットでもないし、高くて具合の悪いこともなかろうと、そのままで行くことに。

戻ってみると、ちゃんとスペースが残っており、再度バイクを寝かす。

スタートの8時が近づいてきたので、先頭グループ全員が国道沿いに整列。

8時ジャストに号砲(笛だったか号砲だったか忘れた)。

スタート直後に速さにより3つのグループに分散。

何とか2つ目のグループの最後尾に付く。

いいペースだ。

心拍数も130台で推移している。

郷の峰まで付いていき、トンネル超えたら12キロのダウンヒルが待ちかまえる。

この辺りで水分、塩分、エネルギー補給を冷静に敢行。

土佐センでは、前半での過剰とも思える心配りが、最後まで走り切れるかどうかの決め手になる。

ダウンヒルが始まる。

「山、川、雲、蝉、汗」

最高のシチュエーション。

思わず声を張り上げる(周りに人がいないことを確認の上)。

ほどなく第一CPの633美の道の駅に到着。

日差しはあるものの、思ったほど暑くはない。

いい感じだ。

空になりかけたボトルにポカリかアクエリを充填、塩タブを投入し、次の登坂に備える。

さあ、大森トンネルまでのヒルクライムだ。

どんどん抜かれる、気持ちの良いくらいに。

が、気にしない。

マイペースで登るのみ。

登り口の気温の掲示は確か27度で思いがけず涼しい。

前回はここでハムに脚攣りが始まったが、大丈夫そうだ。

後半は脚にきかけたので、緩斜面でもダンシングを交え、トンネル到着。

トンネル手前の数少ないエイドで頭から冷水をかけてもらい、生き返る。

緩やかな上り下りを繰り返しながら、第二CPの木の香の道の駅に到着。

山からの水を頭から浴び、ポカリを再充填し、出発。

エネルギーはウェハース4本と粉飴300グラムを溶かしたボトルがあるので食事は不要。

最初は下りでいい調子だが、途中からは早明浦ダム湖に沿ううねりのある道となるのであなどれない。

が所々、木陰もあり、見上げる嶺北の山々、傍らの吉野川上流域の美しい流れ、「ミ-ンミ-ン」に時折混じる「カナカナカナ…」の声に癒されながら、何とか第三CP、上吉の川橋を渡った折り返し地点にたどり着く。

先着の石〇君にどうするか聞かれ、もちろん折り返す旨を告げ、そのあと大声で「4時半までにはたどり着きますよ。」と言った瞬間、腰掛けていた同年代の年配の方がニヤッと笑ってこちらを振り返る。

ここではBコースの方も、またAコースからBコースに変更される方も、いろいろ混在していたに違いなく、もっと配慮ある言動がとれなかったものかと後で思い返しては、つくづく赤面の至りである、情けない。

バナナとポカリをいただき、再出発。

この頃になると、気温は上昇し、いつもの灼熱の土佐センの風景に。

この区間ではサイクリング状態に陥ってしまう100キロを超えてくるので、正念場を迎える。

少し気が抜けかけた頃、4名のトレインが追い抜いたので、付いて行ってみる。

いい感じのペースだ。

トレインに付いているともちろん走行は楽になるし、前の方に合わせるのに気を遣い、他事を考えずに済むので、いつの間にか距離が稼げてしまう。

うまい具合に、三分の二くらいは来てしまった。

残念ながら、トレインの方がたは「小金の滝」で休憩されるようだったので、さすがにそこまでは付いて行けず、単独走に切り替えた。

そろそろ鬼門の100キロを超えてくる。

が、いつもの落ち込みはなく、心拍数も130以上を保てている。

とにかくここまで、オフィシャルのエイド以外では足を止めずに来られているではないか。

さすがに、わき水が蛇口から噴出しているところでは皆さんと同様足を止め、頭から水をかぶったが。

第四CPの木の香に到着。

ポカリを充填、頭から水、同じコトを繰り返し再出発。

大森トンネルまではほぼ平坦で淡々と、超えれば恐怖のダウンヒル

スピードコントロールさえできていれば、どうと言うことはないが、一回だけややオーバースピードで入ってしまいヒヤッとした。

こんな所で落車などするわけにいかない、慎重にと言い聞かせながら、出せるところは出して進む。

最後のCP、633美の道の駅到着。

同じコトを繰り返し、さあ最後の郷の峰を目指す。

緩やかな12キロの登りだが、南中過ぎたお天道様が後頭部から頸部にかけてじりじりと照りつける。

ちょうど追い風なので走行にはありがたいが、速度と風が一致すると、周期的に熱波が襲う。

つらいが、ドMの境地か、あるいは熱中症で頭がおかしくなりかけていたのかわからないが、郷の峰手前のこの苦行なくして、なんの土佐センぞ、などと訳のわからないことを思いながら、ついにトンネル手前まで到着。

もうここまでくれば要らなくなったエネルギーのボトルは空にし、最後のダウンヒルに臨む。

徐々にゴールの道の駅土佐さめうらが近づいてくる。

脚攣り祭りで無念のBコース変更から一年。

この日のためにと言うほど、特別なことをしてきたわけではないが、土佐センはずっと頭から離れずに自転車と向き合ってきた。

これをしたら完走につながるかもというのは、常にあったように思う。

ああ、今それを手にしようとしている。

最後平地になっても、緩めること無く、ペダルを踏み続ける自分がいた。

 

《記録》Aコース完走 7時間42分

最高気温33.5度(本山町)

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