(2022/10/9)
3年ぶりのレース。
龍馬脱藩、ハーフ。
三年間のブランク。自分の劣化を危惧し、一抹の不安を抱えながら、高知県、梼原に車を走らせる。
まずは完走できるのだろうか。
普段の練習でも20キロすら走っていない。
約2時間で梼原の役場に到着。
久しぶりの賑わいにホッとする。
曇っているが、風はなく、ランシャツ、ランパンでも寒くない。
シューズはいつものターサージールで。
フルのグループがスタートし、さあ迫ってきた。
気分の高揚は0。
淡々とアップの疾走を行い、10分前にスタートラインへ。
少し後ろに陣取り、スタート直後は4分30くらいで抑えて行くぞ、と冷静に対応できている。
そしてスタート。
「ああ、始まった」いつもスタート時に思う気持ち。
抑えて抑えて。
落ちてくる人もいれば、抜き去っていく人もいる。
まあ、流れには乗っているなと。
ガーミンが1キロのペースを知らせる。(4分35)
予定通り。
少し進むと、さあ地獄の登りがトンネルまで続く。
列車からは少しづつ遅れながら付いて行く。
嗚咽が始まり、心拍数の限界を知らせる。
つらい、ここの区間はいつもつらいけど、つらい。
走っても走ってもトンネルが現れない。
だめかもの弱気が頭をよぎる。
いや前を走っている人たちも、皆同じ苦しみを味わいながら、我慢しているんだと思い直し付いて行く。
そしてトンネル。
一気に下り、5キロ地点へ。
川に沿っての緩やかな登り、我慢の区間。
ガーミンのペースは5分前後で推移しているが、下降線ではない模様。
六丁の集落のガソリンスタンドが見えた時、ホッと。行けるかも。
折り返しまでの劇坂を登れば、川沿いの下りだ。
上ってくる選手たちとスライドしながら、後半の10キロへ。
基本下りなので、抑えず、飛ばせるところで飛ばして快調に進む。この区間のペースは4分40前後で。
ゴールまで5キロを残したところで、またトンネルの坂が待つ。
登り口のエイドでしっかりスポドリを摂り、淡々と地面を向いて走り続ける。
途中でふと前を見ても、なかなかトンネルが見えない。
でも脚は動く。
来た、トンネル。
これを超えれば2キロの下りでゴールが待っている。
淡々とトンネル内を走り、最後の下りを飛ばす。
脚がもげようが、膝がどうなろうとも。
梼原の集落内の小道を右折すれば、少し先にゴールのアーチだ。
キャップとグラスを外し、全力疾走でゴール。
走れた。完走できた。
先に10キロを走り切り、待ってくれていた相方が寄ってきて、頑張ったね、のねぎらいの声。
タイムは3年前とほぼ同じで、何とか細い藁にしがみつけた。
タダ券で入れた雲の上の温泉の露天風呂につかり、いつも通りの赤いウィンナ入りのお弁当をいただき、無事完走できた安堵感につつまれながら、帰途に就いた。
タイム:1時間47分09(50歳以上男子:13/128)